眞喜屋修 × 雨晴
「The Path I Live」
真っすぐに引かれた繊細な線を見た時に思い出されたのは
眞喜屋修さんのひたむきで実直な生き方。
静かな環境を求めて、沖縄の南部に移り住んだ眞喜屋さん。
南風がとおるアトリエで生み出された新しい作品には
沖縄の匂いと眞喜屋さんの真っすぐで純粋な陶芸への想いが宿っているようです。
夏の余韻が残るこの時季。
眞喜屋さんのうつわやオブジェと共に心地の良い時間をお過ごしください。
会期:2022年8月26日(金)- 9月4日(日)
※会期中の休業日 8月29日(月)- 8月31日(水)
営業時間:13:00~18:00
◇場所
雨晴/AMAHARE @amahare
東京都港区白金台5-5-2
03-3280-0766
info@amahare.jp
◇作家在廊予定日
8月26日(金)
◇オンライン販売について
オンラインショップでの販売については未定です。
詳細が決まりましたらSNSやメルマガでお知らせいたします。
皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。
Photo / Yuka Yanazume
Art Direction / Kazuhiro Sawamoto
自分の中からでてきたもの
4年前に雨晴で開催した眞喜屋さんの初個展「藍と花」。
会期中は本当に沢山の方にお越しいただき嬉しい展覧会となりました。
眞喜屋さんといえば、唐草模様の染付が代表作ですが
本展に向けて新しく生み出されたのは「真っすぐな」線がモダンな印象のうつわや花器。
眞喜屋さんご自身も「お客様がびっくりするんじゃないかなあと」おっしゃるほどの変貌ぶりです。
「これも自分の中から出てきたものなので」という眞喜屋さんらしいコメントを伺い
こちらも気持ちが入りました。
沖縄というご自身のルーツを大切にしながら、確かな技術と新しい感性がかけ合わさて生まれた
眞喜屋さんの新境地に期待せずにはいられません。
粗くて繊細なもの
より質感のある作品を求めて土の改良から始めたという眞喜屋さん。
山から採掘した原土をべースにブレンドした粗土の表情と薄くひかれた生地。
そこに描かれた繊細な絵付け。全てのバランスが絶妙です。
制作当初は粗い土に粗さを感じる絵付けを施すことも考えたそうですが
「粗いものをつくりたい自分と繊細なものをつくりたい自分がいて
その結果生まれたのがこの表現でした」とのこと。
精度の高い入れ子の作品からも
「今、作りたいと思うものをものを作りたい」という眞喜屋さんの想いが伝わってくるようです。
唐草と沖縄
唐草模様を見ると眞喜屋さんらしいなあとか、沖縄らしいなあと思います。
眞喜屋さんがまだ首里にいらっしゃる頃に初めて工房に伺ったのは10年ほど前のこと。
首里城近くの細くて急な坂道を馬力不足の小さなレンタカーで「えいやっ」と登ると右手に見えてくる眞喜屋さんの工房。
南国の強い陽射しを浴びた唐草模様を中心とした彩り豊かな眞喜屋さんの作品が
沖縄の花々のように明るく迎えてくれるのです。
そんな想い出深い唐草模様も八角の形状の中に納まるとまた違った見え方になるのが不思議だなあと。
確かな進化を感じる染付の作品にも是非注目していただきたいなと思います。
眞喜屋さんの酒のうつわ
好きなんですよね。
眞喜屋さんがつくる酒器。
雨晴開業時から取り扱いしている「角瓶(かくへい)」と呼ばれる古酒(くーすー)を頂くための道具も
とってもモダンで、ご近所に住む呑兵衛のみなさまにもご愛用頂いております。
新作の片口は少し武骨でワイルドな印象。
僕はモダンな形状のお猪口がツボにハマりました。
この佇まいの美しい猪口でお酒をいただいたらどんなに美味しいことでしょうか。
無国籍な
琉球王朝時代に大陸との国交が盛んだった沖縄。
文化の交流地点に位置する沖縄の文化は「チャンプルー文化」とも呼ばれ
異文化が合わさることでより魅力的なものへと発展していきました。
先にご紹介した唐草模様はその代表的なものの一つなのかなと。
中東からシルクロードを通じて大陸から伝来したこの文様は沖縄の陶芸には無くてはならないものです。
写真の花器は高さ40㎝程もある大きなもの。
どこか大陸の匂いを感じる無国籍な佇まいを持つこの作品は
沖縄をルーツにもつ眞喜屋さんだからこそ生み出すことができたのだろうなあとしみじみ思うのです。
4年振りのとなる眞喜屋さんの個展。
多くは語らない眞喜屋さんの内に秘めた陶芸への思いが
ぎゅっと絞り出された純度の高い作品が一堂に介します。
僕自身もまだ見れていない作品が並ぶようですので今からわくわくが止まりません。
「眞喜屋さんの生きる陶芸の道」
みなさまと一緒に堪能できたら嬉しいです。
眞喜屋さんの作品と共に皆様のご来店をお待ち申し上げております。